三つの式
電力と電流は電圧で結ばれ、交流では力率も関わります。
- 直流: I = P ÷ V
- 単相交流: I = P ÷ (V × 力率)
- 三相交流: I = P ÷ (√3 × V × 力率)
P はワットなので、キロワットは先に 1,000 倍します。三相では V は線間電圧で、日本なら 200 V 系の値であり、相と中性線の間の電圧ではありません。
計算例
- 単相 100 V の 1.5 kW のヒーター、力率 1: 1,500 ÷ 100 = 15 A。
- 同じ 1.5 kW をモーターとして力率 0.85 で: 1,500 ÷ (100 × 0.85) = 17.6 A。同じ仕事に 2.6 A 多く要ります。
- 三相 200 V の 15 kW のモーター、力率 0.85: 15,000 ÷ (1.732 × 200 × 0.85) = 50.9 A。
- 48 V のバッテリーバンクにつないだ 2 kW の負荷: 2,000 ÷ 48 = 41.7 A。低電圧の直流に太い電線が要るのはこのためです。
力率とは
交流では、電流と電圧の山が必ずしも同時には来ません。力率は、電流のうち実際に仕事をしている割合で、0 から 1 の値です。
- 1.0: 抵抗負荷。ヒーター、電気ケトル、白熱電球。
- 0.8〜0.9: モーター。産業用の負荷の大半がこれです。
- 0.95〜0.99: 力率改善回路の付いた最近のスイッチング電源。
機器の銘板にふつう書かれています。力率が低いと同じキロワットでも電流が増えるので、必要な電線やブレーカーが変わります。
kW、kVA、モーターの銘板
kW は有効電力、つまり仕事をする分です。kVA は皮相電力で、配線が運ばなければならない分です。kVA = kW ÷ 力率 で、両者が等しいのは力率 1 のときだけです。電線と保護機器は電流で選ぶので、kVA を基準に決めてください。
モーターの落とし穴が一つあります。銘板の kW は軸に出る出力です。電気の入力は効率の分だけ大きく、効率 92% の 15 kW のモーターは電源から 16.3 kW を取ります。換算すべきはこちらの数字です。
アンペアから kW へ
同じ式を並べ替えます。直流は P = V × I、単相は P = V × I × 力率、三相は P = √3 × V × I × 力率 です。三相 200 V、力率 0.85 でクランプメーターが 25 A を示していれば 1.732 × 200 × 25 × 0.85 = 7.4 kW です。
ツール
kW からアンペアの計算は直流・単相・三相について双方向に換算し、kVA も出します。オームの法則の計算は電圧・電流・抵抗を扱い、ケーブル太さの計算と電圧降下の計算はその電流を電線の太さに変えます。