切削速度は回転数ではない
切削速度は Vc や SFM と書かれ、刃先が材料を通り抜ける速さです。これは材料と工具の性質で、機械の性質ではありません。回転数は機械で設定する値で、径によって変わります。刃先の速さを同じにするには、φ6 mm の工具は φ50 mm よりはるかに速く回さなければなりません。
式
回転数 = Vc × 1000 ÷ (π × D)
Vc は m/min、D は mm の径です。インチ系では 回転数 = SFM × 12 ÷ (π × D)(D はインチ)で、3.82 × SFM ÷ D と略されることも多いです。
軟鋼を φ10 mm の超硬エンドミルで 120 m/min で削るなら 120 × 1000 ÷ (π × 10) = 3,820 min⁻¹。同じ φ10 mm でアルミを 400 m/min で削るなら 12,700 min⁻¹ で、多くのフライス盤の上限を超えます。
どの径を使うか
フライス盤やドリルでは D は工具の径です。旋盤では D は刃が当たっている位置の工作物の径なので、切削速度を一定に保つには端面削りが中心へ向かうにつれて回転数を上げる必要があります。周速一定制御のある機械はこれを自動で行います。
送り速度
速さだけでは何も削れません。工具は進まなければなりません。フライス工具では:
送り速度 = 回転数 × 一刃送り × 刃数
3,820 min⁻¹ の 4 枚刃で一刃 0.05 mm なら 3,820 × 0.05 × 4 = 764 mm/min。ドリルと旋削では送りは一回転あたりなので、送り速度 = 回転数 × 一回転送りです。
切削速度の目安
出発点として使ってください。材種とコーティングに対する工具メーカーの値は、どんな一般表よりも正確です。
- 軟鋼: ハイスで 20〜30 m/min、超硬で 100〜200 m/min。
- ステンレス鋼: もっと遅く、ハイスで 15〜25 m/min、超硬で 60〜120 m/min が多いです。
- アルミ: ハイスで 70〜120 m/min、超硬で 200〜500 m/min 以上。
- 真鍮: アルミに近く、乾式でもきれいに削れます。
- 鋳鉄: ハイスで 15〜25 m/min、超硬で 60〜150 m/min。
- 堅木: 速度はずっと高く、だからトリマーのビットは 10,000 min⁻¹ 以上で回り、大径のビットは逆に落とす必要があります。
切りくずを読む
速すぎると刃先が摩耗したり焼けたりし、切りくずが青く出ます。遅すぎて送りも軽すぎると、工具は削らずに擦り、これも工具を殺します。切りくずが適切な色でしっかり巻いて出て、止めたあとも工具が触れるくらいの温度なら、数字はおおむね合っています。
ツール
切削速度の計算は切削速度・径・回転数を相互に換算し、送り速度も出します。トルクの計算は主軸出力と切削点のトルクを結び、ねじ規格表は切削のあとにねじを立てるときの下穴径を示します。