ストックを使う理由
ストック溶液は、必要なときに薄めて使う濃い溶液です。培地を作るたびに数mgを正確に量るのは大変ですが、濃いストック用に1 gを一度量るのは簡単で、決まった量のストックを加えるのは手早く再現性があります。濃いストックは長持ちし、冷凍庫の場所もとりません。
×の表記
1000×ストックは使用濃度の1000倍濃いので、1:1000に薄めて使います。最終溶液1 mLあたり1 µLです。10×や100×のストックも同じ考え方です。
計算例:アンピシリン
LBプレートではアンピシリンを100 µg/mLで使います。
- 1000×ストック:100 µg/mL × 1000 = 100 mg/mL。
- ストック10 mLには、100 mg/mL × 10 mL = 1 gのアンピシリンを水に溶かし、ろ過滅菌します。
- 寒天500 mLには、約50〜55 °Cまで冷めてから500 ÷ 1000 = 0.5 mL、つまり500 µLのストックを加えます。
よく使う抗生物質の使用濃度
- アンピシリン、カルベニシリン:100 µg/mL(ストックは水)
- カナマイシン:50 µg/mL(水)
- スペクチノマイシン:50 µg/mL(水)
- クロラムフェニコール:25 µg/mL(エタノール)
- テトラサイクリン:10 µg/mL(エタノール、遮光)
これらはよく使われる値です。異なる場合は自分のプロトコールに従ってください。
ストックの保存
ストックは分注し、名前、濃度、日付を書いて−20 °Cで保存します。同じチューブを何度も凍結融解せず、1本ずつ溶かして使います。
計算ツール
ストック溶液の計算は、任意の×ストックについて量り取る量と加える量を求めます。そのほかの希釈には希釈計算を、モル濃度のストックにはモル濃度の計算を使います。