MOIとは
感染多重度(MOI)は、細胞1個あたりに加える感染性ウイルス粒子の数です。200,000個の細胞にMOI 5で感染させるなら、1,000,000感染単位を加えます。
計算式
ウイルス液量 (mL) = MOI × 細胞数 ÷ 力価(1 mLあたりの感染単位)
細胞200,000個、MOI 5、力価1 × 108/mLなら、5 × 200,000 ÷ 108 = 0.01 mL = 10 µLです。
細胞は播種後も分裂を続けるので、感染当日に数えます。力価はウイルスの感染のしかたに合った方法で測ったものを使います(プラークを作るウイルスならPFU、レンチウイルスなら形質導入単位)。ゲノムコピー数やp24などの物理的力価は非感染性粒子も数えるので、感染量を多く見積もってしまいます。
どれだけの細胞が感染するか
ウイルス粒子はランダムに細胞に当たり、ポアソン分布に従います。少なくとも1回感染する細胞の割合は1 − e−MOIです。
- MOI 0.1:細胞の約10%
- MOI 1:約63%
- MOI 3:約95%
- MOI 5:約99%
つまりMOI 1ではすべての細胞は感染しません。ほぼすべてに感染させるにはMOI 3〜5が必要です。
どのMOIを使うか
- ほぼすべての細胞に感染させる(一段増殖曲線など):MOI 3〜10。
- プール型ライブラリースクリーニング(1細胞に1コンストラクト):約0.3。感染するのは細胞の約4分の1ですが、その約86%が1コピーだけを受け取ります。
- 多段増殖曲線(培養全体にウイルスが広がる):0.01〜0.1。
計算ツール
MOI計算は、MOIに必要なウイルス液量、または液量からのMOIを、感染する細胞の割合の見込みとともに求めます。先に細胞を数えるには血球計算盤の計算を使います。