太さを決めるのは二つ
ケーブルは、発熱せずに電流を流せる太さが必要で、さらに末端まで電圧が届く太さも必要です。短い配線はたいてい電流で決まり、長い配線はほぼ必ず電圧降下で決まります。
手順1: 電流を求める
負荷がワットでわかっているなら電圧で割ります。100 V で 1.5 kW のヒーターなら 1500 ÷ 100 = 15 A です。三相なら √3 × 電圧 × 力率で割ります。
手順2: 許容電流を確かめる
どの太さにも許容電流がありますが、それは一つの数字ではありません。同じ銅線でも、断熱材に埋まっているとき、ほかのケーブルと束ねられているとき、暑い小屋裏で働くときは許容値が下がります。屋内配線でよく使われる銅線の目安:
- 1.5 mm²(およそ 15 AWG): 照明回路で、施工方法により概ね 14〜20 A。
- 2.5 mm²(およそ 13 AWG): コンセント回路で、概ね 18〜27 A。
- 6 mm²(およそ 9 AWG): 電気温水器やクッキングヒーターで、概ね 34〜47 A。
この幅があるため、規格は太さごとに一つの値を出すのではなく施工方法別の表を出します。実際の施工方法の値を取り、そのうえで周囲温度と束ね数の補正係数をかけてください。
手順3: 電圧降下を確かめる
抵抗は長さとともに増えるので、長い配線は途中で電圧を失います。
降下 = 2 × 長さ × 電流 × ρ ÷ 断面積
ρ は導体の抵抗率で、銅はおよそ 0.0175 Ω·mm²/m、アルミは 0.028 です。2 は行きと帰りの分で、平衡した三相配線では代わりに √3 を使います。
30 m 先の 20 A の負荷を 2.5 mm² の銅線で送ると 2 × 30 × 20 × 0.0175 ÷ 2.5 = 8.4 V 下がり、200 V に対して 4.2% になります。4 mm² にすると 5.25 V、2.6% です。
どこまでの降下が許されるか
規格は上限を決めており、公称電圧の 3%〜5% あたりが一般的で、照明は動力より厳しく扱われることが多いです。正確な数字と、引込みから最終回路までの振り分け方は従う規格によって違うので、自分の地域で有効なものを確認してください。
規格を超えて大事な理由
末端の電圧が低いとモーターは熱を持って電流を余計に引き、照明は暗くなり、足りない分のボルトはケーブルの中で熱として捨てられます。離れや井戸ポンプまでの長い配線なら、一つ上の太さは大して高くつかず、問題を恒久的に解決します。
見た目より細くなってしまう条件
- 断熱材: 小屋裏の断熱材に覆われたケーブルは熱を逃がせず、許容値が大きく下がります。
- 束ね: 一本の電線管やラックに何本も通すと、どれも流せる電流が減ります。
- 周囲温度: 表の値は 30 °C 前後が前提で、暑い機械室や屋根裏では係数が必要です。
- 絶縁の種類: 90 °C 品は 70 °C 品より多く流せますが、接続する端子側も同じ温度に対応している場合だけです。
ツール
ケーブル太さの計算は負荷・長さ・許容降下から太さを求め、電圧降下の計算はすでに決まっている太さを検証します。AWG 対応表は AWG と mm² を換算し、kW からアンペアの計算はキロワットの負荷を、太さを決める基準になる電流に変えます。