qPCR プライマーと通常の PCR プライマーの違い
qPCR はサイクルごとに産物がどれだけ速く増えるかを測るので、プライマーは標的を 100% 近い効率でコピーし、1 種類の産物だけを作る必要があります。そのため、正しいバンドが少しでも出ればよいクローニング用の PCR より増幅産物を短くし、ルールも厳しくなります。一般的なルールはPCR プライマーの設計方法にあり、ここでは qPCR で変わる点をまとめます。
ルール
- 増幅産物:約 70〜150 bp。短い産物は毎サイクル完全にコピーされるので、効率が高く保たれます。
- プライマー長:18〜25 塩基。
- Tm:約 58〜62 °C で、2 本の差は 1〜2 °C 以内。使うマスターミックスの塩とマグネシウムの濃度で計算します。
- GC 含量:40〜60% で、3′ 末端の最後の 5 塩基に G か C が 3 個を超えないこと。
- 避けること:同じ塩基が 4 個以上続く配列(特に G)と、プライマー自身やもう一方のプライマーと対合する部分。プライマーダイマーは、ダイマーを含むあらゆる二本鎖 DNA を光らせる SYBR Green で特に問題になります。
プローブ
加水分解(TaqMan)プローブは 2 本のプライマーの間に結合し、プライマーが伸長を始めるときにはすでに結合しているよう、Tm をプライマーより 5〜10 °C 高く設計します。レポーター色素の隣になる 5′ 末端に G を置くと蛍光が消光されるので避けます。
mRNA を測るとき:エキソン境界をまたぐ
cDNA から遺伝子発現を測るときは、片方のプライマーをエキソン-エキソン境界にまたがるように置くか、長いイントロンを挟んだ別々のエキソンに 2 本を置きます。こうすると RNA に残ったゲノム DNA からは産物ができないか、長すぎてうまく増えません。逆転写酵素を入れずに反応させた RNA(no-RT コントロール)で、ゲノム DNA が混入していないか確認できます。
発注前にプライマーを確認する
- プライマー Tm 計算で 2 本の Tm を計算します。マグネシウムはマスターミックスの濃度に合わせ、3 mM 以上のことがよくあります。
- PCR Primer Stats でヘアピン、自己ダイマー、弱すぎたりくっつきすぎたりする 3′ 末端がないか確認します。
- 鋳型を PCR Products に貼り付けて予想サイズの産物が 1 つだけできることを確かめ、NCBI Primer-BLAST などでゲノム全体を検索して他の標的がないことを確認します。
実験で確認する
鋳型の希釈系列(10 倍ずつ 5 段階以上)を作り、検量線計算で Ct を量の対数に対してプロットします。傾きから効率がわかります:E = 10−1/傾き − 1。傾き −3.32 が 100% で、90〜110% が一般に許容範囲です。SYBR Green では、融解曲線のピークが 1 本で鋭ければ産物は 1 種類で、鋳型なしコントロールは平らなままのはずです。そのうえで ΔΔCt 計算で相対発現量を求めます。2 組のプライマーの効率が違う場合は Pfaffl 法を使います。