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ネルンストの式の使い方

1 つの式の 2 つの形

ネルンストの式は、濃度が標準状態の値でないときの電極・電池・膜の電位を与えます。化学と生物学では次の 2 つの形で書きます。

電気化学セル:E = E° − (RT ÷ nF) × ln Q

膜を挟んだイオン:Eイオン = (RT ÷ zF) × ln([イオン]外 ÷ [イオン]内)

R は 8.314 J/(mol·K)、T は絶対温度(K)、F は 96,485 C/mol、n は移動する電子数、z はイオンの電荷、Q は反応商です。

簡略式

ln を log10 に変えると 2.303 倍になります。RT/F × 2.303 は 25 °C で 59.16 mV、37 °C で 61.5 mV なので:

  • 25 °C:E = E° − (0.05916 V ÷ n) × log Q
  • 37 °C:Eイオン = (61.5 mV ÷ z) × log([外] ÷ [内])

例:亜鉛–銅電池

25 °C の Zn | Zn2+ (1.0 M) || Cu2+ (0.010 M) | Cu で、E° = 1.10 V、n = 2 とします。Q = [Zn2+] ÷ [Cu2+] = 100、log 100 = 2 です。

E = 1.10 − (0.05916 ÷ 2) × 2 = 1.10 − 0.059 = 1.04 V。銅イオンの濃度を下げると電池の電圧は下がります。

例:神経細胞の膜を挟んだイオン

37 °C、哺乳類の代表的な濃度で計算すると:

イオン細胞外(mM)細胞内(mM)平衡電位
K+514061.5 × log(5 ÷ 140) = −89 mV
Na+1451261.5 × log(145 ÷ 12) = +67 mV
Ca2+20.0001(61.5 ÷ 2) × log(20,000) = +132 mV
Cl−11010(61.5 ÷ −1) × log(11) = −64 mV

静止膜電位が約 −70 mV と K+ の値に近いのは、静止時の膜が主にカリウムを通すからです。複数のイオンを透過性で重みづけして合わせるには、ゴールドマン–ホジキン–カッツの式を使います。

よくある間違い

  • z の符号。Cl− のような陰イオンでは z = −1 なので、符号が逆になります。
  • 外 ÷ 内。膜の式では細胞外の濃度が分子です。入れ替えると符号が逆になります。
  • 温度。体温で 59 mV を使うと、どの結果も約 4% 小さくなります。
  • 活量。厳密には式に入るのは濃度ではなく活量です。濃い溶液では差がはっきり出ます。

計算ツール

ネルンストの式の計算は、どちらの形でも任意の温度で計算します。水素イオン濃度と pH には pH の計算を使います。

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